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ストリップ姿の哲学

 投稿者:麗しき主婦  投稿日:2008年 9月21日(日)12時40分16秒
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  猛暑続きの夏もようやく遠のき
朝夕は肌にひんやりと冷気を感ずるこの頃ですが
誰もが敬遠する猛暑の夏に
私にはたったひとつだけ楽しみがありました

それは、ストリップ姿の哲学

早寝早起きがしたいのに入浴タイムはいつも夜中
さっぱり汗を流した後は
グラス入りのワインを持って屋上に行きます
それは夫が教えてくれた貴重な時間です

ある夏の日、夕食の支度をしていたキッチンに
缶ビールを片手に夫がフラリと現れ
「屋上はまるで別天地だ、行ってごらん、人生観が変わるよ」

上機嫌な夫の、人生観が変わるよの言葉に
思わず笑い転げながらも興味を誘われ
さっそくその夜のお風呂上がりに上ってみました

私の部屋から三階部分のペントハウスへの階段を上がり
そこから屋上へ足を踏み出すと
家の中は熱帯雨林のようだというのに
屋外は涼風が心地よいまさに別天地

夫の手作りのテーブルにグラスワインを置いて
ゆっくり時間をかけていただきます
そのとき横たわるのは、リゾート地のホテルのプールサイドにあるようなデッキチエアー

夜中をまわったころの住宅街はひっそり静まり
黒い屋根の重なりだけが目の前に広がっています
この界隈の屋上は我が家だけなので
他から見られる心配はなく開放感が味わえます

ときおり眺める少し離れたマンションの灯りは
その部屋の主の生活状況まで伝えてくれます
同じ時刻の決まった場所に
ぽつん、ポツンと窓の灯りが眺められ
時間の経過と共にひとつひとつ消えて行きます

住宅街の狭い道路をそんな時間帯にも車がときどき走り抜け
自転車のカップルが大声でしゃべりながら通りすぎ
女性がハイヒールの音を響かせて早足に行きすぎます

ご近所のダンナさまが我が家の前でタクシーを停め
歩いてご自分の家に向かう姿も見られます

椅子に横たわっていると道路は見えないので
気が向いたり話し声が聞こえたりすると立ち上がり
手すりに寄ってグラスを片手に下を眺めます

そのときの姿は、お風呂上がりのストリップ姿!

もし誰かが上を向いたとしてもこちらは暗いし
すぐに顔をひっこめれば見られる心配はありません
夜中過ぎに歩いている人は上を向くことはまず
ありませんから

そんな姿で道行く人を眺めていることが
なんだかすごく現実離れしていて
いたずら心を誘われるのです

上空を仰ぎ見ると、グレーの空に星が弱く光を放っています
子供の頃、田舎で見あげた夜空は
漆黒の闇の上に星明かりが満天を覆っていましたが
都会の夜空は流れていく雲までがはっきり眺められます

台風の前には雲がすごい速さで流れて行くさまに
見惚れます
星のまたたきを凝視していると
なぜか不思議な感覚に捕らわれます

(自分はいったい何者?なぜここにいるの?)

まるで青春時代の乙女の悩みをそのままに
未だに自問自答する女がいます
それほど深くはないのですが
夜中にストリップ姿で涼風になぶられながら
じっと星を仰ぎ見ていると
なぜかすごく哲学的な気分に陥ります
 

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